お仕事レポート

「まちの未来に残る仕事」を指揮する岡戸組の20代たちは、柔らかな会話力の持ち主だった!

今回お邪魔したのは
・株式会社岡戸組
・所在地:阿久比町白沢二反ノ田39-1
・創業:1921年
・社員数:39名

公共工事を進める「建設DOCTORS」

知多半島も、大きな道路ができたり、新しい公共施設が建ったり建て替えられたり。いわゆる地域のインフラと呼ばれるものが少しずつ、良くなっていっています。そうした仕事は誰がしているのだろうと、考えたことはありますか。公共工事を発注するのは県や市などの行政側、それを受注して完成までを指揮していくのが、建設会社です。

阿久比町の株式会社岡戸組も、そんな建設会社のひとつ。「わが街の建設DOCTORS」を合言葉に、創業から100年以上、知多半島を中心として地域の公共事業や環境整備、住宅や店舗の建築までを担っています。

とはいえ、従業員数は40人ほど。自社で工事人員のすべてをもっているのではなく、岡戸組の役割は各種工事を滞りなく、スケジュール通りに安全に進めること。実際に工事現場で手を動かす下請けの職人さんたちを、まとめていくのが仕事です。 「施工管理者」というのがその仕事の呼び名。皆さんには「現場監督」という言葉の方が馴染みがあるかもしれません。今回は、20代と若いながらもそれぞれの現場で「施工管理者」を務める、工事部の廣瀬友紀さん(29歳)と小川颯さん(26歳)に、話を伺ってみました。

▲小川さん(左)と廣瀬さん(右)の若いお二人

廣瀬さんは大学卒業後、新卒で岡戸組に入社して8年。経済学部で学んできた廣瀬さん、入社前はこの仕事にさほど興味はなかったといいます。「新卒向けの就職説明会で、社長ともう1人来ていて、話してみたときの印象がとても良かったんです。休日の日数や転勤がない点にも惹かれて、とりあえずやってみて、嫌だったら辞めればいいかな、くらいで就職したのが正直なところです」

小川さんは、岡戸組の下請け業者として働いていたところからの転職組で、もうすぐ3年になります。「岡戸組の施工管理者さん達と現場で一緒に仕事をして、雰囲気の良い会社だなと感じていたんです。自分も施工管理の方をやってみたいなと思い、転職しました」

測量と写真、そして書類づくり

2人とも、特別に資格があったり、同業で経験を重ねていたりしたわけではないところからの就職。それでも自分で現場をもてるようになるところまで、ちゃんと周りが支えてくれたといいます。 廣瀬さんの1年目は「とにかく“測量”と“写真”が完璧にできるようになれ」と言われて育ったそう。「半年くらいは同じ先輩について現場に行き、仕事を覚えていきます。まずは、図面を見て測量することと、確実に記録写真を撮ること。そこから始まりました」

下請け業者から施工管理をする側へと転職した小川さんは、驚いたことがあったそう。「意外と、外にいる時間の少ない仕事だなと思いました。下請けをしている時は想像できていなかったのですが、書類をつくる仕事がけっこうあるので、デスクでパソコンに向かっていることも多いです」。横で頷く廣瀬さん。「そうそう、自分たちって現場をスムーズに進めるための下支え役なんだよね。工期がまず先に決まっているから、細かな確認申請や報告をサクサク進めていかないと、うまく行かなくなる。こまめな書類づくりも大事な仕事」。

施工管理者デビューに足が震える

1~2年ほど先輩について学び、その後それぞれが施工管理者として現場を取り仕切る役目につきます。20代だと、たいていは自分の方が若く、相手が年上という構図に。廣瀬さんが初めて施工管理者となった仕事は阿久比町にある池の耐震工事でしたが、間に休みを挟みながら計3年ほどかかるものでした。

「下請けの人たちのまとめ役と、自分が直接話をする立場になるわけで。順調な時は良いですが、そうでない時の交渉をするのも自分。下請けさんには一緒に仕事に臨む仲間として“相談する”気持ちで関係作りを始めました」。緊張の初仕事を終えた日から6年以上。その下請け業者さんとは何度か一緒に仕事をし、朝の声掛けから小さな雑談を積み重ねて、今ではますます頼れる相談相手になっているそうです。「あの人、釣りが好きだから釣りの話をしよう、というようなところまで分かるようになりました。お互い人間なので、この人のためならもう少しぐらい頑張るか!と思えるかどうか。それは日々の積み重ねから生まれるものだと思います」

小川さんも初めて施工管理者を担った仕事は、とても緊張したそう。「常滑市で、水道管を敷設する仕事でした。周りの先輩たちがね、口々に脅してくるんですよ。あの業者さん怖いぞ~とかって(笑)。初日に現場に行くのは憂鬱でしたねぇ。でも踏ん張って、笑顔で話しかけました。確かに顔つきは怖そうでしたが、話してみたら優しい人が多くて。今になればよく分かるんですが、一見怖そうに見えても、実際話すと面倒見がよくて良い人が多いんですよ」

笑顔のコミュニケーションを支える社内の空気

緊張の初日から年月が経ちましたが、小川さんは今も「笑顔でいること」を大切に、仕事をしているそうです。「安全に、スケジュール通りに仕事を終えるというのは大前提で。どうせやるなら、関わる人全員で良い雰囲気で仕事がしたいんですよね。なので自分から心掛けてニコニコしていることはあります」

廣瀬さんは8年勤め、次のステップへの葛藤中だとか。「そろそろ僕も、“人に仕事を任せる”ってことをしていかねばならないのですが。つい自分でやっちゃうんですよね。そこがこれからの自分の課題かなと思っています」

そんな2人が現場で責任者として頑張れるのも「会社の雰囲気が良いことが大きい」と言います。「工事部は全部で14人いるんですが、50代と20代が多いです。接しやすい人が多いので、困ったときに相談したり、休日も一緒に遊びに行ったりしています」

働き心地が良いのでしょう。最近の採用では、現スタッフの紹介で入ってくる人も多いそう。「現場でガッツリ体を動かしていたい、という人にはちょっと向いていないかも。前に話したようにデスクワークも割とありますし。体が丈夫なのはもちろん大切ですが、施工管理者というのはコミュニケーションの仕事だなと感じています。目的に向かって、社内や下請けさんとしっかりやり取りができることが、とても大切です」

大きなモノづくりを支える、日々の積み重ね

取材をさせていただいたこの日は、常滑市の金山地区で現在建設中の西知多道路建設現場にお邪魔しました。現場で一緒に仕事を進める下請けの皆さんとも一緒に写真に納まっていただきました。「ひとつの仕事の工期が長いことも多いので、仲良くなれるのも楽しいですね。現場が変わっても何度か一緒になることもあるので、そんな人たちに“すごいね”とか“ありがとう”と言われると、頑張って良かったなと思いますね」と廣瀬さん。

廣瀬さん、小川さんともにこの仕事の魅力として挙げてくれたのが「形に残る仕事」ということ。「今僕は、西知多道路の建設にも関わっているんですが、完成したら交通の流れが変わりますよね。この先何十年も残っていく僕の仕事です。そうした仕事に関われているのが嬉しいですね」と廣瀬さんが話すと、「最後の舗装、僕やりたいですね。そしてその上を自分の車で走る!最高じゃないですか」と小川さん。「俺たちの仕事の最後のいいところだけお前がやるんかい!」と廣瀬さんが笑います。

20代ながら責任のある仕事を任され、着実に進めている2人。取材時の柔らかな雰囲気からは、住民の暮らしを変えていくインフラ整備をするという仕事の規模感に誇りをもちながら、それを現場で創る人間のモチベーションを日々支えていく「気配りの力」を感じたのでした。

▲取材後も先輩と仲良く出発する小川さん。仕事もプライベートもいつも一緒だそう。

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チタジョブライター
田代涼子
ブランディングライター、中小企業診断士。人物取材と伝わる言葉づくりが大好きです。コココリン(半田市創造連携実践センター)でも働いています。岐阜県出身、半田市在住。旅と散歩とカフェが好き。ひとかけらの言葉もちゃんと拾って、その奥にある大切なものを伝えたいと思っています。
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