お仕事レポート

鉄が作られるかぎり途切れない!製鉄過程で発生する副産物のリサイクルで社会を支える仕事

今回お邪魔したのは、
・協材砕石株式会社
・住所:愛知県東海市東海町5-3 日本製鉄株式会社名古屋製鉄所構内
・052-601-2606
・設立:1987年
・従業員数:70名

製鉄所で鉄を作る際に発生する副産物である“スラグ”から路盤材や土質改良材を作り出す「協材砕石㈱」。副産物に新たな命を吹き込み、利便性の高い土木材料等として再利用に励むスタッフの皆さんにお話を聞いてみました。

製鉄過程で発生する副産物「鉄鋼スラグ」に新たな命を吹き込む

昭和62年に設立した協材砕石㈱は、東海市にある日本製鉄㈱名古屋製鉄所構内と南柴田工場に拠点を置き、鉄を製造する際に発生する鉄鋼スラグを処理加工して、土木材料等として需要家に届けている会社です。

鉄鋼スラグ(以下スラグ)とは何かというと、鉱石から鉄を製錬する際に発生する“非金属物質”のこと。製鉄所で鉄を製造する際に必ず発生する副産物です。この本来なら廃棄される鉄鋼スラグを、新たな資材として活用することで社会に貢献しているとのこと。

「製鉄所から持ち込まれるスラグの種類は何種類もあります。見た目はあまり変わらないんですが、それぞれものが違うので品種に応じて製品化しています。」と話すのはスラグの中間処理を担当する福田さん(43歳/入社5年目)。

協材砕石で作っている製品は路盤材や土質改良材といわれるもので、主に土木現場で使われています。

「例えば道路のアスファルトの下に敷きつめて路盤となったり、水分が多いぬかるんだ場所にスラグを混ぜることで汚泥から固まりやすい土へと土質改良ができたり、また雑草が生い茂ったところに敷くことで表面が固まり防草効果を得られるなど、スラグの品種や粒度によって用途が異なる製品になります。」

天然の石や岩に近い成分で、メリットが多く、そんなスラグの特性を生かした製品づくりをしているのだそう。

作業に待ったなし!スラグは毎日持ち込まれる

ちなみになかなか聞き馴染みのない“スラグ”という言葉ですが一体どんなものなのかというと、見た目は山の採掘場で採ったような大きな岩や石の塊。

トラックで持ち込まれるスラグ

「スラグはサイズも大小さまざまなので、まずは破砕して粒度別にふるい分けをするラインへ投入します。なかには取り切れなかった鉄分が残っているスラグも含まれていたりするので、そういうものは大型の磁石のような装置を使って別に仕分けて製鉄過程にリサイクルされていきます。鉄含有スラグはリサイクルという別の使い道があるんです。」

福田さん(右)と上司の西田さん

粉砕機やふるい機の操作はモニターを監視しながらプラントオペレーターが作業を行います。

「手動操作が多いので習熟度の高いベテランともなると通常より2~3割も多く処理をします。だから僕も(作業量の)マックス値を出せるよう結構ギリギリまで攻めたりしていますね。正確に確実に作業するのが大切ですが、数字として出ると昨日の自分より成果を出したくなるんですよね。」

モニターを監視しながらのオペレーション業務の様子

破砕選別したスラグは、構内の置き場へと運び出され種類別(製品別)に分けられます。ここで登場するのがダンプカーやパワーショベル、ホイールローダーといった大型重機。協材砕石の敷地は広大で、構内では至る所で重機が稼働しています。

「スラグを運び出すにも整地するにも重機を使うので、中間処理に携わる人は全員これらが扱えます。最初は(未経験でも作業が出来る)プラントオペレーションを覚えながら、必要に応じて資格を取得していきます。会社としてもバックアップしてくれますよ。」

この重機操作も経験による感覚の差が出やすいという。

「同じ重機を使っていても人によって出来栄えが違ってくるんです。整地ひとつとっても作業スピードが速くてキレイに仕上げられたり、積み込みも荷が寄ったりしないとか挙げ出したらキリがないくらい。重機は大きくてガツガツ雑に動いているように見えるけど、実際は繊細さも必要なんです。」と福田さん。

大型重機で運び出して適切に管理できる状態にするまでが中間処理の一連の流れでワンチーム。すべての工程が順調にかみ合ってこそ、何千トンという量がこなせるのだという。

「実はスラグも四季で顔が変わるんですよ。冬だと湿っていて夏はカラカラ、雨の翌日は水分を多く含んでいるとか、1年を通して同じ状態であることがない。条件が日々変わるから処理もワンパターンとはいかなくて、それが難しさであり試行錯誤している所です。」

スラグは毎日運び込まれるため処理する手を止めるわけにはいかない。中間処理チームは毎日フル稼働でスラグに向き合っている。

安定した商品の供給を促す、品質管理と安全管理

そんなスラグは用途ごとに強度や粒度といった規格が決まっているそうで、中間処理チームが生産したスラグの品質管理を行っているのが「試験」部署で働く當銘(とうめ)さん(35歳/入社4年目)。

當銘さん(右)と上司の都築さん

「私たちは作ったスラグ製品の一部を採取して製品として規格が適性かどうかを調べるのが仕事です。」

「例えば粘度と水分量の実験ではスラグに水を少量ずつ追加しながら粘度の状態を確認します。どれだけ水を入れたらしっかり固まり、逆にどこから固まらなくなるのか数値を出していくんです。」

また欠かせない作業は他にも。

会社をあげて最優先に取り組んでいる「安全管理業務」では、作業風景を撮影して動画にし問題提起や改善活動、作業効率化に役立てるなど事業所内の安全にまつわる様々な業務を行っています。

大路さん

「これまで気にも留めなかった些細なことにも危険が潜んでいるのでは?と意識するようになりました。従業員のみんなが事故なく安全に働ける環境を目指しています。」と語るのは安全管理業務に携わる大路さん。

従業員やその家族を災害から守るために常に安全に目を光らせています。

解体中や更地の現場へアタック!フットワークの軽さが活きる営業

こうして完成したスラグは主に路盤材として近隣の土木現場へ。

「スラグ製品が使われるのは土木現場の中でも初期の段階なので、僕たちが新規で営業をかけるのは解体中や更地になっている工事現場ですね。」と話すのは営業を担当する山本さん(入社1年目)。

山本さん(右)と同僚の諸星さん

重機が入り始めた工事現場にアポイントなしで直接提案に行くという。

「タイミングが合えばその場で受注が決まるし、もしすでに別のところで購入しているならまた機会があれば~となります。ショッピングセンターや物流センター建設といった大きな現場だと一部で元請けさんが業者を指定している所もありますが、現場判断で納入するところのほうが大多数なんですよ。」

工事が始まる段階で材料の仕入れ先が決まっていないことが多いこと、また土木業者が他府県から来ている事も多く、その場合特定の取引先がないというのも契約がまとまりやすい理由です。

「もちろん継続的に納品している既存の業者も複数あって、そちらのフォローも欠かせません。ただ新規に関しては、とにかく現場へ直接行って交渉する。扱う商品もスラグから成るこの商品だけ。営業スタイルって会社ごとに色々あると思うんですが、僕はこの単純明快な営業が性に合っているなと感じています。」

一度に500~1,000トン納品という契約になることも多いそうで、こうした大量の受注も安定した生産量や輸送力、そして試験をクリアした確かな品質の製品があってこそ。

鉄を製造する限り、スラグは発生する。スラグは今日も土木現場で活躍しています。

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チタジョブライター
竹内恵子
半田中央印刷所属のライター。愛知淑徳大学の表現文化専攻を経て、大好きな“綴ること”を仕事にしています。思い立ったが吉日の行動派で、好きなことには諸突猛進タイプ。普段は子ども 2 人の育児にテンテコマイな母です。
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